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痛風にはたった一杯の牛乳が効果的です

昔から牛乳は尿酸値を下げる効果があるといわれていますが、牛乳を飲むことで一体どれだけの効果があるのか。

今回は牛乳が尿酸値を下げる理由と、その効果を中心に書いてみたいと思います。

痛風になっている人、高尿酸血症の人で、手軽に尿酸値を下げる方法を試してみたい人には、是非読んでもらいたいですね。

↓尿酸値が気になる人に向けた記事を他にも書いてます
痛風や、尿酸値が気になる人への記事をまとめました

牛乳が尿酸値を下げる理由

牛乳(乳製品)というのは、そもそも尿酸のもとになるプリン体がほとんど含まれていないので、尿酸値が高い人でも安心して摂取できる食品なんですね。

しかも、プリン体が含まれていないだけではなく、飲めば尿酸値が下がるので、尿酸値が高い人にとってはかなりありがたい飲み物です。

では、なぜ牛乳を飲むと尿酸値が下がるのか。

尿酸値が下がる仕組みを簡単に書いてみると、

  1. 牛乳に含まれるカゼインというものが胃腸で分解されて、アミノ酸の一種であるアラニンに変化
  2. そのアラニンが腎臓に働きかけて、尿酸の排泄を助ける(増やす)

この牛乳の作用により、体内に過剰に溜まっている尿酸が尿とともに排泄され、尿酸値が下がるわけです。

牛乳に限らず乳製品であるヨーグルトなども同じく尿酸値を下げる効果があるので、牛乳が苦手な人はヨーグルトで同じような効果が得られます。

ちなみに、同じ”乳”がつくものに『豆乳』がありますが、こちらはカゼインは含まれていないので、尿酸値を下げる効果はありません。

NHK ガッテン!で牛乳を飲む実験をして尿酸値が下がっていた

尿酸値が気になる人は、今年の1月4日にNHKから放送された『ガッテン!(旧ためしてガッテン) – プリン体じゃなかった!尿酸値を下げる秘策SP』を観た人がいるんじゃないでしょうか。

『プリン体じゃなかった!尿酸値を下げる秘策SP - NHK ガッテン!』

出典元:NHK

この番組の中で、『尿酸値が気になる人に牛乳を飲んでもらう』という興味深い実験をやっていました。

実験対象の11人にはコップ一杯の牛乳を飲んでもらい、6時間後の尿を検査して尿酸がどれだけ排泄されるようになったかを実験するというもの。

結果は、なんと11人平均の尿酸排泄量が37%もアップするという驚くべき結果に。

牛乳が尿酸値を下げる

出典元:NHK

これだけでも、牛乳が尿酸の排泄を促すすごい食品だということがわかると思います。

また、アメリカでの実験(N engl J Med 2004;350:1093-103)でも、47150人の人を12年間調査した結果、牛乳(低脂肪乳または無脂肪乳)を1日コップ1杯飲むと痛風の発症が43%低下したという結果報告もあります。

アメリカの実験では牛乳が尿酸値を下げた

出典元:NHK

牛乳は、単に骨を強くするための飲み物じゃないんですね。

尿酸値を下げる効果が高いのは低脂肪牛乳とヨーグルト

牛乳が尿酸値を下げる効果がある食品だということがわかったところで、じゃあ今日から毎日牛乳飲んでみようかなという気持ちになると思います。

でも、飲むんだったら『低脂肪牛乳』にしてください。

痛風には低脂肪牛乳

なぜなら、低脂肪牛乳の方がより尿酸値を下げる効果が得られるからです。

また、牛乳に含まれる乳脂肪を考えると、肥満気味の人にも低脂肪の牛乳はおすすめといえます。

牛乳はお腹がゴロゴロするから苦手だという人もいるかと思いますが、アカディとかゴロゴロしない牛乳でも大丈夫です。

それでも牛乳がまったく駄目な人は、牛乳と同じ効果があるヨーグルト一個を食べてください。

牛乳はいつ飲むのが効果的なのか

牛乳が腎臓に働きかけて、尿酸の排泄を促す作用があることは既に書きました。

腎臓は人が起きている間は、老廃物を尿として排泄させる活動をしています。

なので、牛乳をいつ飲めばいいのかという明確な回答はなく、いつ飲んでもいいように思えます。

それでも効果的に飲むのであれば、腎臓は午後5時~午後7時の間がもっとも活動している時間帯なので、その前に牛乳を飲むのがベストじゃないでしょうか。

夜からはどの内臓も活動を低下させていくので、腎臓に余計な負担をかけないためにも、夜以降は牛乳を飲まない方がいいです。




尿酸値が高い人の原因には排泄の問題がある

そもそも、なぜ尿酸値が高くなってしまうのか。

尿酸値の高い人の9割が、尿酸の排泄がうまくいっていない『尿酸排泄低下型』が原因だということがわかっています。

『ガッテン!』の番組内でも4人を対象に尿酸排泄量を検査していましたが、正常値の1人を除いて、尿酸値が高い人全員が尿酸の排泄量が少ない結果となっていました。

尿酸値が高い人は尿酸の排泄量が少ない

出典元:NHK

厳密には、尿酸値が高くなる原因として、体内の尿酸が過剰に作られるタイプ(尿酸産生過剰型)の人や、尿酸排泄低下型との混合型の人もいたりします。

尿酸値が高い人のタイプについては、次の記事で詳しく書いているので、参考にしてください。

痛風になった場合、または、いつ痛風になってもおかしくない高尿酸血症の場合、どういう治療をするのか気になりますよね? 痛かったら嫌だし、薬漬けになったら副作

尿酸値が高い人には肥満体型の人が多いといわれます。

肥満になるとインスリンが正常に働かなくなり、尿酸排泄を低下させてしまいます。

肥満は痛風に限らず、生活習慣病とも密接な関わりがあるので、肥満を解消することが重要だといえます。

スポーツ好きの若い人でも尿酸値が高い場合がある

『ガッテン!』では、若いイケメンスタッフの亀井君が体をはった実験に取り組んでいました。

しかし、このイケメンスタッフの亀井君、まだ23才なのに事前の尿酸値検査ではなんと8.2mg/dlという高い数値になってたんですね。

毎年、尿酸値が高いといわれる僕でも、だいたい7.5mg/dlなので、さすがにこの結果には他人事ながら笑ってしまいました(笑)

このイケメンスタッフ亀井君の特徴をまとめると、

  • 年齢は23才
  • お酒はほとんど飲まない
  • スイーツが好き
  • 運動は週二回程度フットサルをする
  • フットサルで鍛えた引き締まった体型

どうみても、ごく一般的な若者で健康そのものといえる彼ですが、何故か尿酸値が高い。

尿酸値が高い原因を探ろうと、尿検査をはじめいろんな検査をしたところ、彼もやはり尿酸排泄低下型のタイプだということが判明。

そこで、彼にも牛乳を一週間飲んでみてもらったところ、なんと尿酸値が8.2→6.6と劇的に改善されたんですね。

スイーツを今までより控えたことも尿酸値が改善された要因になるかもしれませんが、それでもたった一週間でここまで尿酸値が下がるというのはすごいことだと思います。

ここで疑問が1つ。

彼はまだ20代なのになぜ尿酸値が高いのか。

痛風専門のお医者さんによると、尿酸の排泄に関わるABCG2という『遺伝子の変異』の可能性があるということでした。

成人男性の半分ぐらいがこの遺伝子に変異があるとのことなので、肥満などの代表的な原因に心当たりがない人は、この遺伝子の変異によるものかもしれないですね。

遺伝子の変異は、痛風の発症率が22倍にもなるという報告もあるようなので、可能性があると思う人は、一度病院できちんと検査してもらうことをおすすめします。

毎日一杯の牛乳で効果的な尿酸値対策を

尿酸値を下げる方法として、肥満改善、食生活の改善、アルコール摂取を抑える、病院から処方される薬、サプリメントなど、様々なものがあります。

でも、毎日たった一杯の牛乳を飲むだけで尿酸値が下がるんだったら試してみませんか?

どの家庭でも常時冷蔵庫に入っている牛乳なので、簡単に試すことができると思いますよ。

できれば、より効果の高い低脂肪牛乳を飲むようにしましょう。

ただし、牛乳を飲んで尿酸値が下がったからといって、それで痛風予防が完璧というわけではないです。

食べ過ぎの人は食事の量を抑え、肥満の人は肥満解消に向けた運動や、アルコールを控えるなどの対策が、本当の痛風予防になります。

激しい痛みを伴う痛風発作はさけたいものです。

牛乳をきっかけにして、尿酸値を正常値に戻すことを目指していきましょう。

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